営業時間
ショップ営業時間
毎週 金~月曜日 10:00~16:00
【定休日】火~木曜日
※祝日は営業いたします
営業日カレンダー
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鳥獣の受入可能時間
毎週 木~月曜日 8:30~12:00 を基本に随時受け入れ
【定休日】火・水曜日
※搬入者は、富士五湖猟友会員のうちジビエ衛生管理セミナーを受講した方に限ります
DEAR DEERについて
構想から3年、ようやく完成を迎えた Dear Deer(ディアディア)(食肉加工施設)
2013 年、富⼠⼭は世界⽂化遺産に登録されました。そんな富⼠⼭がいま、野⽣⿅による⾷害に悩まされています。
樹⽊の⽪剥ぎによる天然林の劣化、若⽊の芽や葉が⾷べられることによる成⻑の阻害など、野⽣⿅による⾷害は森林荒廃や⽣態系にも⼤きな影響を及ぼしています。
世界遺産登録から10年余りが経過し、富⼠⼭の普遍的価値を後世へ繋ぐため、いま改めて富⼠⼭の環境保全に注⽬が集まっています。
世界文化遺産「富士山」
富士吉田市を中心とする富士北麓地域は、古くから信仰の対象として多くの人々に崇拝されてきた富士山が目の前にそびえる街。街の中には富士山信仰の歴史を垣間見る史跡や神社などが数多く存在しています。
また、麓から歩いて登ることができる唯一の登山道「吉田口登山道」も残っています。
富士山麓の野生鹿は、年間500頭ほどしか獲れない貴重な存在
富士山に生息する野生鹿は、これまで農作物や樹皮を食べてしまう厄介者として扱われてきました。また、被害対策として捕獲された鹿は、加工施設がないため埋却処理をせざるを得ませんでした。そんなマイナスな存在だった鹿をなんとかプラスの存在に変えよう、そんな想いからプロジェクトは立ち上がりました。
野生鹿による被害軽減を図るため、地元猟友会による個体数調整のための管理捕獲事業が進められています。それにより年々捕獲数は増加し、今後も増加していくことが想定されています。そんな中、捕獲した野生鹿を単なる害獣として処理するだけではなく、有用な資源として捉え、活用していくことが求められています。
近年、野生鳥獣を食用処理したジビエに注目が集まっており、高タンパク・低脂肪のジビエは、健康ブームによって消費者からのニーズは高く、また新たな食材として積極的に取り入れる飲食店も増えています。
貴重な資源である富士山麓の鹿
Dear Deerでは、解体から食肉製品への最終加工までを一貫して行うことにより、徹底した品質管理、またより新鮮な状態でお客様へ商品を提供しています。
観光や教育の場としての役割
ジビエ加工施設は、そのイメージから嫌悪施設として市街地から離れた場所に設置されていることが多く、環境保全や持続可能な社会のあり方を考える上でとても重要な事業であるにもかかわらず、一般の人たちが親しみにくい環境にあります。
DEAR DEERは年間200万人が訪れる道の駅エリアに隣接し、処理加工だけでなく、ジビエの販売を通した集客施設として、また、地産地消やジビエ文化、命の大切さについて知ることのできる学習施設としても機能する全国的にも例のない施設を目指しています。
ジビエを学べる学習施設
外観デザインにもこだわり、ジビエを学べるイラスト解説も設置するなど、ジビエをきかっけとして新たな経済循環を生み出す魅力的な場となることを目標としています。
ジビエをより身近に感じていただくために
DEAR DEERには「剥皮室」「解体室」など処理加⼯できる設備だけでなく、「熟成室」や「燻製室」「厨房設備」もあり、解体から食肉製品への最終加工販売までを⼀貫して行うことが可能です。
ジビエ加工施設としては珍しく食肉製品製造業の許可も取得し、ハム、ソーセージといった食肉加工品の製造までを手掛けます。
身近な食材、ハムやソーセージへの加工
ジビエ加⼯施設では、ロースやモモといった部位ごとのお⾁を塊の状態で販売していることが⼀般的です。ただ、「どうやって⾷べていいかわからない」「味付けはどうするの︖」など、消費者にとってハードルが⾼いのが現状です。
⼀般の方にも手軽にジビエを食べていただけるようハム、ソーセージといった親しみやすい食材へ加工し、販売することでジビエをより身近に感じていただけるよう工夫しています。
高齢化する猟友会。若手ハンターの育成も
野⽣⿅を捕獲するには、狩猟免許など特殊なスキルをもった地元猟友会の協⼒が不可⽋です。しかしながら、全国的にも猟友会メンバーの⾼齢化が進み、存続が危ぶまれるような地域もあります。
DEAR DEERでは、猟友会が捕獲した野⽣⿅をすべて受け⼊れ、商品化することで猟友会メンバーのモチベーションアップに繋げ、猟友会の存続、組織強化を⽀援していきます。
狩猟者へ向けた衛生管理セミナーの開催
熟練ハンターから若⼿ハンターへの技術の伝承、また、ジビエとして活⽤するためのノウハウを取得できるジビエ衛⽣管理セミナーを開催し、若⼿ハンターの育成にも取り組みます。
鹿の解体処理の流れ
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衛生管理セミナーを受講した登録済みの猟師さんが捕獲した鹿をDEAR DEERへ搬入。
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皮膚についた汚泥などを高圧洗浄機で洗い流す。体表汚染の著しいものは食用にしない。
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個体をフックで吊り上げ、皮をはぐ。
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微生物や寄生虫感染の可能性があるため、搬入後すぐに内臓を取り出す。
取り出した内臓を検査して、病気がないか確認。異常があった場合は食肉には使用せず廃棄となる。
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余分な水分を抜き、旨味を閉じ込めるために数日間熟成させる。
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熟成が完了したロース、モモ、スネなどの部位ごとに切り分ける。
鳥獣被害の現状と対策
深刻な野生鹿による食害
富士山周辺の野生鹿の生息密度は高く、その食害は山麓の農地から富士山の高山帯まで広範囲に広がっています。
森林帯では、樹木の皮剥ぎによる天然林の劣化、また人工林では植栽された若木の芽や葉が食べられることによる成長の阻害など、野生鹿による被害は森林荒廃や生態系にも大きな影響を与えています。
(写真提供:富士山科学研究所)
富士山の固有種も被害に
富士山には、フジアザミやフジザクラ(マメザクラ)など富士山独自の固有種が多く存在しています。中でもフジザクラは、山梨県の県花、富士吉田市の市花にも指定されている貴重な植物です。小さな薄ピンク色の可憐な花をつけることでも有名で、毎年春にはフジザクラ祭りも開催され多くの人を魅了しています。
そんなフジザクラも野生鹿による被害を受けています。新芽を食べ、樹皮は剥がされ、成長は極端に悪くなります。このまま何も対策を講じなければ、やがて野生鹿による食害に侵され、富士山独自の固有種を見ることができなくなってしまうかもしれません。
被害防止策として有効な管理捕獲
野生鹿の被害抑制への有効な手段として管理捕獲があります。地域ごとの生息分布を調査し、適正な頭数まで野生鹿を捕獲することにより被害軽減を図る方法です。
しかしながら、管理捕獲を実施するには多くの課題もあります。野生鹿は広大な森林を自由に往来すること、森林は傾斜などの地形条件、積雪量などの気象条件が多様であること、捕獲従事者の高齢化および減少など、様々な課題をクリアする中で、爆発的な繁殖力を有する野生鹿による被害に対し、効率的・効果的な対策を推進する必要があります。
そのため、野生鹿による農林業被害を減少させるべく、「鳥獣被害防止計画」を策定し、地元猟友会との協力体制のもと、野生鹿の個体数削減、生息状況調査、若手捕獲従事者の育成に取り組んでいます。
ジビエ加工センター建設へ
これまで埋設処理されてきた野生鹿を有効な資源としてとらえ、新たな価値を生み出すべく、令和5年にジビエ加工センターの建設に着手しました。ジビエとして生まれ変わった野生鹿を“富士山の恵み”として商品化し、ふるさと納税の返礼品や道の駅での新たな特産品として販売し、新たな価値を創造します。
令和5年にジビエ加工センターの建設に着手
富士山麓で育った野生鹿の命を無駄にしないこと、そして、捕獲した野生鹿を単なる害獣として処理するだけでなく新たな資源としてしっかりと活用することで新たな経済循環を生み出し、鳥獣被害の防止に努めます。
全国からの温かい支援により実現
DEAR DEERの建設にあたっては、ふるさと納税クラウドファンディングを2度にわたり実施させていただきました。プロジェクトの趣旨にご賛同いただいた延べ3万9387人という本当に多くの方々から、寄附額にして6.3億円を越えるご支援をいただき、実現することができました。
こ応援してくださった皆さまの期待に応えることができるよう鳥獣被害の防止、富士山の環境保全、地域の活性化に取り組んでいきます。
Dear Deerは、忍野村、山中湖村、富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護組合の協力のもと、富士吉田市が設置した施設です。まだスタートしたばかりですが、今後も互いに連携する中で富士山の環境保全に取り組んでいきます。